斐太遺跡の南に隣接する天神堂古墳群では、これまでの分布調査で118基の古墳が確認されています。しかし、耕作地化によって滅失したものが多く、現在は106基あまりの古墳しか残存していません。過去に4基の円墳が発掘調査され、古墳時代中期の築造であることが明らかにされています。発掘された古墳では、「木棺直葬」と呼ばれる墓坑に木棺をそのまま埋める方法で埋葬されていたことが確認されました。現在のところ、尾根の頂部に立地する1号墳と2号墳は、古墳時代前期までさかのぼる可能性をもっていますが、年代の決め手を欠いているため、本古墳群全体としては、古墳時代中期を主体とする古墳群という評価に留まっています。横穴式石室をもつ新しい形態の古墳が発見されていないため、6世紀後半には終焉を迎えたと考えられています。